初しぼり、しぼりたての酒が続々出回る季節の、もう一つのお楽しみが濁酒、にごり酒である。最近では、しっかり白濁しているタイプから薄にごりまでさまざまなタイプが出回っているが、とくに人気なのは酵母が生きている瓶内活性酒。酸っぱすぎず、甘すぎず、米の甘味がほどよく感じられるすっきりした飲み口は、新たなファンを獲得している。
「食前酒や食後酒にはもちろんのこと、うちがお薦めしているのは“間にはさむ”スタイル。瓶内活性のにごり酒は飲み続けることに向く酒ではありませんが、口直しには最適です。1つの銘柄をじっくり飲みたい人でも、1杯のにごり酒でちょっと口を変えてみる。こういう楽しみ方は“外酒(そとざけ)”ならでは、でないでしょうか」と早坂さん。
その微発泡がもたらす爽やかさに合わせたいのが、鶏レバーパテだ。鶏レバーや玉ねぎ、にんじんなどを醤油と味醂で煮つけ、バターをプラス。それを攪拌して冷やし固める和風テイストで、オープン以来の定番メニューである。くるみとドライいちじく入りのパンにたっぷり盛り、フレッシュフルーツをトッピングするのが早坂流。言うまでもなく、フルーツなしの方が和食度の高い味わいだが、みずみずしい果実味が加わった途端に味の完成度は急上昇し、こちらのほうが不思議と酒に合う。トッピングするフルーツはブルーベリー、プラム、キーウィなど季節替わり。「でも、春のいちごは別格かな」とのこと。
酒と呼び合う料理をつくり、料理と呼び合う酒を探す。そんな早坂さんらしさもじっくり堪能できる、鶏レバーパテ いちごのせ。ともかく味わってみるに限る。
■ 案内人 早坂 登志男(はやさか としお)
1973年生まれ、青森県出身。中学卒業後、15歳で料理の世界に入り、23歳には和風レストランの料理長を任されるまでになる。その後、酒と料理を学ぶべく、居酒屋3軒で修業を重ねる。同時に、酒販店の勉強会などにも参加。2006年に独立し、同店を構える。“四季料理”を掲げているように、食材を通して季節感を先取りしたり、偲んだり、その日もっともおいしい料理と旨い酒を提供。定番は、故郷の青森シャモロックを使った料理。酒が進む料理ばかりだが、やわらぎ水を主人自ら提供するなど、健康的な飲酒への配慮も怠らない。そんな心憎い人柄も同店の魅力となっている。
●四季料理 天★(てんせい)
東京都杉並区梅里1-21-17
phone 03-3311-0548
[営業]18:00~23:00(L.O.)
[休]不定休
※予約が望ましい





