
「鈴木三河屋」は赤坂ツインタワー脇の路地に店を構える、超都心の酒屋さん。店に入ると、右奥3面の日本酒のコーナーには、「貴(たか)」「大那(だいな)」「而今(じこん)」「山形正宗」「王碌(おうろく)」など、今をときめく人気蔵の酒瓶がズラリ並んでいます。すべての瓶に、丁寧な説明書きの札が下がっています。
でも、冷蔵庫はありません。あれ?と思いつつよく見たら、並んでいるのはすべて、中身なしの空き瓶。本物は、店の奥にあるマイナス5度の冷蔵庫で丁寧に保管されています。ラインナップが見やすいし、酒の管理もきちんとなされ、良心的です。
店長・大熊潤さん(36歳)は日本酒の熱血伝道師で、大熊さんによって日本酒ワールドにどっぷりハマった人も数知れず。日本酒を飲んだ経験の少ないお客さんには、どうやってアプローチするのでしょうか。
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「日本酒は〝おじいさんが造っているもの〟と思う方も多いので、まず、写真など見せながら若い人たちが造っていることをお話しして、〝現代に生きているアクティヴな酒〟ということを伝えます」。なるほど。確かに、そのイメージはありますね。
「試飲していただくときは、香りのいいお酒を」。フレッシュで爽やかな香りがあって、米のふくらみが感じられ、酸があり、飲んだ後のキレがいい「モダンな酒」の中から試飲の一杯をチョイスするそうです。
では、お客のほうは、好みの日本酒に巡り会うためには、どうしたらいいのでしょう。
「たとえば、特別純米とか純米吟醸とか自分のベーシックな規格(酒質)を決めて、そこを攻めていったらどうでしょう」。大熊さん自身も12年前、特別純米だけに絞って次々飲む中で「醸し人九平次」に出会って衝撃を受け、以来、日本酒にのめりこんだといいます。
また、「そのお酒がいつ造られたかを知ることも大事」。新酒と一年ものでは味の違いがかなりあり、さらに生酒と火入れ酒(加熱殺菌した酒)でも、味わいが相当変わります。この2点を意識して飲むと、自分好みの酒に近づけるのではないでしょうか。
「封を空けたときより、数日後のほうがおいしくなる酒もあります。日本酒は温度の違いも楽しめるし、いろんな可能性のある酒。中途半端な知識にとらわれずに、自分流に日本酒を愉しんでほしいですね」。
はい、まことに。大熊さんのような素晴らしき水先案内人がいたら、さらに愉しめると思います。

●鈴木三河屋
東京都港区赤坂2-8-15
□電話/03-3583-2349
□営業時間/10:00~20:00
土曜日は12:00~17:00
□祝日/日曜 祝日




