dancyu×日本酒.com

(本文ここから)

「こうやって周囲に酒好きが増えていくことに、幸せを感じますね(笑)。」

魂を揺さぶる一品:その3・ちりちり焼ける香ばしさや香りのよさが酒を引き立てる

朴葉味噌

自家製燻製

藪田昌孝さん・紀子さんご夫妻/朴葉味噌は焼けた味噌が酒に合うので、具材を食べ終えても長時間楽しめる。燻製は中華鍋や段ボールでつくる簡易式だが、燻製仕立ての豊かな香りが酒の芳香と混ざり合い、奥深い複雑な味わいに。【揺さぶられてみました!】酒や本みりん、砂糖で調味した合わせ味噌に、刻んだ長ねぎとか椎茸を混ぜ込んでも。きっともっと酒が進みますよ。

町田たぶん皆さんもそうだと思いますが、最初はやはり日本酒を飲みたい。だから、酒の合間に何かをつまめればいい程度なのですが、そのうち食欲がわいてきて料理を食べたくなる。その料理がおいしいと酒の印象がぐっとよくなって、もっと飲みたくなる。この好循環はきっと日本酒のなせる“力業”なのでしょう。今回は皆さんにとって、いい日本酒がどうしても飲みたくなる、とっておきの料理を披露していただきましたが、ふだんは酒と料理をどう合わせていますか?

廣澤亮輔わが家には二人にしては大きめなテーブルがありまして、そこに何品か並べて酒を味わう時間が休日の至福です。ちょっとふんぱつした贅沢食材や旬の食材が登場すればなおよし。このように先に食材ありきなので、食中酒はどちらかというと辛めで芳醇すぎず、後口にキレのある酒を選ぶことが多いですね。

藪田昌孝うちは栓の空いている酒に合わせて料理を考えます。酒は一升瓶で買い求め、少しでも酸化を防ぐように四合瓶に移し替えておきます。だから常に違うタイプの酒が何種類かある状況。料理の味に負けなくて、時間経過による味わいの変化も楽しめる酒が理想的です。

小川健委員会に参加するまでは山廃仕込みの酸味が苦手だったのですが、「三谷藤夫」の山廃仕込みに出合ったことで、苦手意識は過去の経験から思い込んでいただけだとわかりました。要するに大切なのはバランスで、山廃仕込みの酸味はむしろ飲み飽きさせず、深みのある味は日々のおかずに合います。最近ではすっかりのめりこんでいます(笑)。女房が燗好きなので、せっかく二人で楽しむならと、この冬は燗酒ばかりです。

渡辺ひと美燗酒、いいですねぇ。山廃仕込みには確かに乳酸の強い酒もありますが、温めると酸味は旨味に変わります。温度の変化をもっとも楽しめるのが山廃仕込みなんです。よく大吟醸で燗をつけるなんてもってのほか、と言う方がいますが、むしろ燗にしたことで飲みやすくなる大吟醸もあります。まだまだ先入観だけで日本酒を理解している人は多い。

中野未知子それと日本酒が損をしているのは、おいしさゆえに飲みすぎた失敗が多いこと。それがトラウマになってしまう人が多いんです。また、最近の若手は飲まないと言われていますが、実は酒の楽しさを知らないだけ。昨年、職場のチームで出張することが多かったのですが、酒が駄目だった後輩が「お疲れさま」で飲むおいしさに目覚め、今では日本酒パーティーを開いたりしています。こうやって周囲に酒好きが増えていくことに、たまらなく幸せを感じますね(笑)。


旬野菜の塩天ぷら

魂を揺さぶる一品:その4・風味づけした塩にコチュジャン。食材と酒を結ぶ調味料が大事

コプチャン・チョンゴル(ホルモン入り韓国鍋)

廣澤亮輔さん・明子さんご夫妻/チゲとは異なり、ホルモンの濃厚な旨味に辛味をプラスする韓国鍋。辛すぎない風味が酒に合う。天ぷらは山菜など季節の野菜がお薦め。風味づけした塩を数種用意すると、食材の種類が少なくても味わい豊か。二人暮らしの知恵でもある。【揺さぶられてみました!】濃厚な味の鍋には、甘味のある韓国焼酎よりも腰の据わった味わいの日本酒のほうが合いますね。燗酒もお薦めです。

(本文ここまで)