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酒質を決める麹造りは祈るように厳かに進んでいく。

酒造りは「一・麹、二・酛(もと)、三・造り」といわれるが、麹造りは最も重要な工程であり、酒の命を吹き込む神聖な作業である。麹菌を育てる麹室(こうじむろ)は、高い室温と湿度で非常に蒸し暑い。通常は4人で作業するところに、さらに12人が加わるという超過密状態。その中で、蒸米をきっちり四角く広げ、種麹をふる。煙の粒子のように微小な麹菌を酒米に定着させるため、種付け中はもちろん、その後3分間は一切の動きが禁止される。直立不動のまま静寂の時が流れる。作業を最後まできっちり見届けているメンバーたちに、ふと「しんどいでしょう」と語りかける金子専門部長。「この環境に馴れている私たちでもしんどい。でも、手を抜いたら、それだけの酒にしかならないのです」。実に心にしみる言葉である。

適温まで冷ました蒸米を麹室に運び、麹菌を種付けする麹造り。種麹をふるいに通して酒米の上方からふりかける。酒質を左右する大切な工程だ。その後、棚質に移されて2日ほどかけて麹菌を育て、麹は完成する。これをもとに酒母(酛)が造られ、醪(もろみ)が仕込まれる。

蒸きょう・放冷(じょうきょう・ほうれい)

蒸きょうは大きな蒸籠のような甑(こしき)で、洗米・浸漬後に水きりした酒米を蒸す工程。上の写真のボトル後方が甑で、100度の飽和蒸気でパンパンに膨れ上がっている。蒸し上がる最後の数分は温度を上げ、表面を乾かす。松竹梅白壁蔵が旨い酒のために徹している蒸し方だ。その後、すぐに放冷。竹簾の上のシートに広げられ、杓文字で均一に冷ます。荒息(あらいき)を素早く抜かないと、麹の品質に影響するという。


麹造り(こうじづくり)


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